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割と普通なブログ

Microsoft Azure や ASP.NET、Java EE 系の話題を記載します

RIA Servicesでテーブル・ストレージを利用する その1 〜ローカル実行で参照処理編〜

Windows Azure C# Silverlight

Silverlightで利用できるRIA Services、一度触ってみると便利さに驚くことだと思う。先日、RIA Services v1.0 SP1 BetaとToolkit October 2010がリリースされた。これらをインストールすることで、RIA ServicesでWindows Azureストレージ・サービスのテーブルストレージを利用することが可能だ。
そこで今回は、RIA Servicesでテーブル・ストレージを利用するまでの手順を紹介したい。作成するサンプルの起動イメージは以下となるので、参考にして頂きたい。

※RIA Servicesをまだ利用していない方は、以下のサイトで学習することをオススメする。

前提環境

今回の前提環境は以下となっている。

※注1 各コンポーネントは、インストールする前に当該コンポーネントの旧バージョンを削除する必要があることに留意して頂きたい
※注2 SilverlightSDK、サービスパック、Toolkit http://silverlight.net/riaservices サイトからもダウンロード可能だ。本記事のリンクが切れている場合は、別途こちらを参照して頂きたい
※注3 Express版のVisual Studio 2010で今回のサンプルを作成したところ、以下のエラーが表示された。原因は不明だが、Expressで開発する方は注意して頂きたい。

RIA Services利用までの流れ

プロジェクトを作成するまでの流れを解説する。

  1. RIA Service用のソリューション作成と設定
    1. ソリューションの作成とプロジェクトの作成
    2. 接続文字列の設定
  2. Webロールプロジェクト側
    1. アセンブリ参照の追加
    2. TableEntityの継承クラスの作成
    3. TableEntityContextの継承クラスの作成
    4. ドメインサービスクラスの作成
  3. Silverlightプロジェクト側
    1. 親画面へのデータソースの追加
    2. 子ウィンドウの作成とデータ追加画面の作成
1. RIA Service用のソリューション作成と設定
  • 1.1 ソリューションの作成とプロジェクトの作成

Visual Studio を立ち上げ、新規に「Windows Azure クラウドサービス」を作成し、Web Roleをひとつ追加する。

次に、同ソリューションにSilverlightプロジェクトを追加で新規作成し、RIA Servicesを有効化する。

  • 1.2 接続文字列の設定

RIA Servicesが利用するストレージへの接続文字列を設定する。Cloud Serviceプロジェクトの「ロール」フォルダから作成したWebロールをダブルクリックし、[設定]タブを選択して「接続文字列」を以下の例に従って設定して頂きたい。

プロパティ名
名前 DataConnectionString
種類 接続文字列
UseDevelopmentStorage=true
2. Webロールプロジェクト側

ストレージ・サービスでRIA Servicesを利用する場合、Webロール・プロジェクトにアセンブリ参照を追加する必要がある。[参照の追加 > .NETタブ]から次のアセンブリを追加して頂きたい(下図参照)。

  • Microsoft.ServiceModel.DomainServices.WindowsAzure
  • System.Data.Services.Client


  • 2.2 TableEntityの継承クラスの作成

次に、テーブルストレージにアクセスするためのエンティティクラスを作成する。以下のサンプルに従って、Entityクラスを作成して頂きたい。

namespace WebRole1.Model
{
    using Microsoft.ServiceModel.DomainServices.WindowsAzure;

    //継承するクラスがRIA Services用になっている
    public class CommentEntity : TableEntity
    {
        public string Name { get; set; }
        public string Body { get; set; }
    }
}
  • 2.3 TableEntityContextの継承クラスの作成

次に、エンティティクラスを制御するデータコンテキストクラスを作成する。以下のサンプルに従って、データコンテキストクラスを作成して頂きたい。

namespace WebRole1.Model
{
    using Microsoft.ServiceModel.DomainServices.WindowsAzure;
    using Microsoft.WindowsAzure.ServiceRuntime;

    //継承するクラスがRIA Services用になっている
    public class CommentEntityContext : TableEntityContext
    {
        public CommentEntityContext()
            : base(RoleEnvironment.GetConfigurationSettingValue("DataConnectionString"))
        {
        }
        public TableEntitySet<CommentEntity> CommentEntities
        {
            get { return base.GetEntitySet<CommentEntity>(); }
        }
    }
}
  • 2.4 ドメインサービスクラスの作成

RIA Services側にサービスを公開するため、ドメインサービスクラスを作成する必要がある。まず、[追加(D) > 新しい項目の追加(W)]から「ドメインサービスクラス」を選択し、空のドメインサービスクラス(この例では CommentDomainService.cs)を作成して頂きたい。

次に、以下のサンプルに従ってドメインサービスクラスを修正して欲しい。コードを参照して頂ければ一目瞭然だが、RIA Services側にCRUD処理が実現できるメソッドを提供している。

namespace WebRole1
{
    using System;
    using System.Collections.Generic;
    using System.ComponentModel;
    using System.ComponentModel.DataAnnotations;
    using System.Linq;
    using System.ServiceModel.DomainServices.Hosting;
    using System.ServiceModel.DomainServices.Server;

    using Microsoft.ServiceModel.DomainServices.WindowsAzure;
    using WebRole1.Model;

    // RIA Services向けにCRUD処理が出来る形でメソッドを実装している
    [EnableClientAccess()]
    public class CommentDomainService : TableDomainService<CommentEntityContext>
    {
        public IQueryable<CommentEntity> GetCommentEntities()
        {
            return this.EntityContext.CommentEntities;
        }

        public void AddCommentEntity(CommentEntity entity)
        {
            this.EntityContext.CommentEntities.Add(entity);
        }

        public void DeleteCommentEntity(CommentEntity entity)
        {
            this.EntityContext.CommentEntities.Delete(entity);
        }

        public void UpdateCommentEntity(CommentEntity entity)
        {
            this.EntityContext.CommentEntities.Update(entity);
        }
    }
}
3. Silverlightプロジェクト側

次にRIA Servicesを利用するSilverlight側のプロジェクトを作成する。

    • 3.1 親画面へのデータソースの追加

MainPage.xamlを開き、「データソース」ウィンドウからエンティティを選択し、ウィンドウに対してドラッグ&ドロップする。エンティティ・クラスのプロパティに従ったDataGridが自動生成されるので、こちらを利用する。

※データソースウィンドウが表示されていない場合、[データ(A)]-[データソースの表示(S)]から表示できる。

プロジェクトの実行

[スタートアッププロジェクト]がCloud Service側になっていることを確認して、Visual Studio 上から[F5]を押してサンプルを実行する。以下の画面が表示されれば動作は成功している。

エンティティの追加を行っていないためDataGridの中身が空になっているが、別の回にエンティティの追加処理の実装方法を紹介したいと思う。
また、Azure Storage Explorer でテーブル・ストレージを参照したところ、「CommentEntity」の空テーブルが作成されていたことも認識頂きたい。