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East AsiaデータセンタとSouth East Asiaデータセンタの速度比較!

さて、先日実施された 【応募者全プレ】Azureで1年間お世話になったみなさまへ。お歳暮?クリプレ差し上げます! だが、色々と学習できたことが有ったので紹介しようと思う。同キャンペーンは単なる「QUOカードプレゼン祭り」ではなく、2010年11月にリリースされたWindows Azure SDK 1.3の学習に役立つ情報をも提供している。
今回紹介したい内容は、「South East AsiaとEast Asiaとのデータ転送速度差」と「データ転送速度の測定時に気になったポイント」になっている。参考になれば幸いだ。

データセンタの場所(復習)

復習として、Windows Azureデータセンタの配置場所を紹介したい。各データセンタの場所はMSDNフォーラムの投稿で説明されており、おおざっぱには以下の配置となっている。

  • East Asia - Hong Kong
  • South East Asia - Singapore
  • North-central US - Chicago, IL
  • South-central US - San Antonio, TX
  • North Europe - Amsterdam, Netherlands
  • West Europe - Dublin, Ireland

データ転送速度の測定環境&測定手順

詳しい手順は「参考ドキュメント-性能評価手順書(Word形式)」に話を譲るが、以下の内容でデータ転送速度の測定を実施した。

  • IE9のInPrivateモードを利用し、ブラウザキャッシュを利用しない
  • IE9のF12機能(開発者機能)を利用して、レスポンス速度を測定する
  • Training Kitのサンプルとして付属している「GuestBook」サンプルを利用する

South East AsiaとEast Asiaとのデータ転送速度差

実際の測定結果を以下に示す。同じコンテンツのアプリケーションを取り扱ったが、約200ミリ秒程度の差が出ている。

測定したタイミング East Asia South East Asia
しばらくほっといた場合に測定
測定直後(10秒程度)に再測定

また、測定直後に再測定をすると、データ転送速度が向上している。InPrivateモードを利用しているので、ブラウザキャッシュは利用されないはずだ(もちろんCDNも有効にしていない)。もともとAzure用の回線(Akamaiか?)にはキャッシュ機能があるのだろうか?謎は深まるばかりである。
上記を記述したところ、 @mayukiさんに以下の指摘を頂いた。

  • @myakui: @normalian 1つツッコミなのですがIEのInPrivateはキャッシュが永続的に保存されないだけでキャッシュ自体は使われるので2回目は速くなっているだと思われます。受信のところもバイト数が違いますし。
  • @myakui: @normalian もしキャッシュを使いたくないのであればF12 開発者ツールからキャッシュ→常にサーバーから更新するをチェック入れて試すのがいいです。

2回目の転送速度が向上している理由は、結局IEのキャッシュが原因らしい(確かに指摘頂いたとおり、転送バイト数が違う)。

データ転送速度の測定時に気になったポイント

上記に記述した点以外でも以下に気になった点が存在するので記載する。

  • 夕方と深夜でデータ転送速度に差があった
    • 画像のEast Asia500ミリ秒は深夜(1:00)に測定したものだが、夕方(20:00)に測定した場合は200ミリ秒程度だった
  • 原則的に、データ転送速度は「 East Asia > South East Asia 」である(100回程度測定した中、転送速度が逆転したのは1回程度だ)
    • 逆に、転送速度にばらつきはあるともいえる
  • しばらく放っておいた場合の転送速度と、測定直後の転送速度に差がある
  • CDNを有効にした場合の転送速度については考慮していないので、その点についての考慮が必要

参考ドキュメント(同キャンペーンで提供したドキュメント)

MSDN Windows Azure SDK 1.3 評価キャンペーンでは、手順書として以下のドキュメントを提供している。キャンペーン後に通読しても有用なドキュメントであるため、一読をお勧めする。

  • 新機能体験手順書 (Word 形式、3.68 MB)
    • Windows Azure SDK 1.3の新機能を紹介している。Visual StudioからポータルサイトにAzureアプリをデプロイする手順、リモートデスクトップで接続する手順、複数管理者設定の手順を紹介しておりなかなか便利。
  • 性能評価手順書 (Word 形式、1.48 MB)
    • 各データセンタの場所と、性能測定手順を公開している。自分で軽く確認する際にもおすすめだ。