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ロサンゼルス生活日誌 ~その5 米国の医療制度~

すっかりご無沙汰で恐縮ですが、先日ついに米国で歯医者に行かねばならない状態になったので色々と分かった結果を共有します。良く言われる「米国の医療費は高い」と言われるお話しですが、具体的にどのくらい高いのか?どういう手続きになるのか?ということがある程度でも伝われば幸いです。

健康保険ってあるの?

まずは日本が提供する素晴らしい社会保障制度である健康保険制度ですが、私が米国に来た際に最初に聞いたのが「健康保険制度に相当する制度は米国にあるのか?」でした。結果から言うと健康保険相当の制度は無く、その当時に質問した相手が外人同僚だったこともあり理解できる的を得た回答をもらえなかった記憶があります。

相当する制度がない代わりに米国では HSA(Heath Saving Account)と呼ばれる口座に自身の医療費を積み立てますが、給与天引き等で積み立てる場合は所得税控除等のメリットがあります。更に所属する会社によっては「月の給与から $100 HSA に入れるなら会社が $50 分補助してやる」というような仕組みがある場合もあります。こちらの口座利用専用のデビットカードが発行されるので、病院等に行った際に利用できます*1

上記の HSA に加えて民間医療保険に入るのが一般的なようです。医療保険もまた仕組みが違っており、日本では原則的に「患者が医療費の3割を負担」というルール*2となりますが、何をどれだけ負担してくれるかが各保険会社によって異なります。具体的には「レントゲン取るのは全部保証してやるけど、クラウン作ったりするのは 50% までしか出さないぜ」という様なイメージです。

更にこの医療保険における日米での大きな差として、米国で自分が購入した医療保険団体に加盟している医療団体か否かで保険の補償額が異なるところです。具体的には「購入した医療保険団体に所属している病院Aでは 100% 保険でカバーしてくれる」が「購入した医療保険団体に所属していない病院Bでは保険のカバーが 0%」ということが発生する可能性があります。このため、事前に病院と購入した医療保険への加盟確認は必須となります。

日本と米国で具体的にどう違うのか?

上記をまとめると以下の様なイメージです。日本側の医療制度は割かし何にも考えなくとも「とりあえず健康保険に入っとけばいいや」なのに対し、米国側は考慮点が色々とあることが分かります。

日本 米国
積み立て or 掛け捨て 健康保険で掛け捨て制度 Health Saving Account への積み立て制度
対象の医療機関 健康保険でどの病院でも原則3割負担 医療保険団体に加盟しているか否かで値段が異なる
対象の医療処置 健康保険で外科・内科・歯医者どれでも原則3割負担 医療保険次第で異なる

歯医者に行った際に具体的にかかったお金は?

渡米前にすべて歯の治療を完遂していたのですが、ガムを食べている際に歯のクラウンが取れてしまったのでこちらの治療をお願いしました。この際に聞いた情報は以下になります。

  • クラウンを作りなおす場合、補償前金額は $1,000 程度が目安でそこから保険補償がどこまで効くか次第で異なる
  • 今回は取れたクラウンを持っておりすぐに歯医者に来てくれたので接着のみの処置であり $120 程度
  • 保険会社との交渉後に金額が確定するが $25 程度ではないか

クランとの接着だけの処置ですが、大体3000円弱といったところでしょうか。日本なら肌感的に1,000円ちょっとなイメージがあるのでやはり医療費は高めな印象です。今回は歯医者のお話だけですが、ご参考になれば。

*1:どうもこの辺り駐在員の方は医療費が会社もちだったりと制度が違うようです

*2:高齢者だと2割負担だったり、幼児は自治体によって無料だったり、高額医療とかは置いときます